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私たちは、「眼(げん)、耳(に)、鼻(び)、舌(ぜつ)、身(しん)」という五官を備えて存在していますが、「天地人」の考え方から考察しますと、五官の中でも眼は、鼻よりも上にあり、かつ、最も高い位置にあるため、眼の働きは「高尚なこと」を司っており、「天」の位置にいるのです。
具体的に物に触れたり、あるいは匂いを嗅いだりするのは、自分の周辺に起こる出来事を察知するだけで、非常に低俗なことで高尚になればなるほど、物事を客観的にながめたり、あるいは物事を深く探求する働きがあるのです。 そういうことを考えますと、眼は人間の体に付いてはいますが、唯一自分の体から離れて、遠くのものを見ることができるのです。 遠くは1キロ先のものを見たり、空を見上げれば何万光年も離れている星さえも観察することができるのです。 眼は離れて物を見るもので、物質に直接に触れて視るものではありません。 本来の眼の働きとしては、物質を見ますと、その物質から出ている光線が瞳孔を通して、眼球の奥にある網膜に映り、その網膜に感じたものは、本来眼そのものの中にあるのですが、そのようには感じずにいかにも遠くにあるように、自分の肉体から遠くはなして感じるのです。 このように眼というのは、そのものを直接感じずに、遠くにあるように客観的に見せる機能がありますので、五官の中では最も高尚なのです。 花を見て美しいと感じるのは、高度の美感があるからです。
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