|
昔から 「水は方円の器におさまる」といって、 円錐形をした器でも、 あるいは四角形をした器であっても、 水はどんな形の器にも入って一定の形をとどめませんが、 陰陽論で言いますと、 女性というのは、この「水」の本性をもっています。 その反対に男性は「火」の本性をもっています。
そして「水」と「火」が結合することによって、 すべては完成するのです。 「水」だけ、あるいは「火」だけでは完成することはありません。 これを「孤陽生ぜず、孤陰成らず」ともいい、 男にしても女にしても、 片方だけでは何人集まっても子どもはできないということです。
それでは「水(女)」の本性とは何かと言いますと、 水は絶えることなく流れ変化してとどまることを知らず、 そのままでは無情であるということであり、 水だけでは形を成しません。 すなわち家庭を成さないということです。 その水を一定の形にするためには、 その流れを止める堤防が必要であり、 その堤防の役割をするのが男ということになります。
水(女)の本性は横に広がっていくもので、形がなく、 それを形にするためには縦の線を必要とし、 その縦の役割を担っているのが男で、 水をせき止める堤防なども縦に建設することによって、 水の流れを止めることができるのです。
これらの役割については、すでに『古事記』の中に、 女性の神様である伊邪那美命(いざなみのみこと)と 男性の神様である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が 出てきて 象徴的に神話が造られています。 「いざなみ」というのは「波」のことであり、 水を象徴しています。 女性は結婚するまでは 波のように漂って行き先がはっきりしないため、 「水」が本質であります。 それに対して「いざなぎ」は 男性の神様で「凪」(なぎ)の働きをして、 波立っている心を静かにさせる働きがあります。 ですから、古事記の神話が示すように、 男性によって女性の波立ち騒ぐ心が落ち着いて、 そこに安定した家庭が造られるということになります。
|
|
|||||||||||||||||||||||||
Copyright (C)2015. 人相はあなたの心を映す鏡 All rights reserved. |